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作業療法士に疲れた…辛いときの対処法を現役OTに聞いた

作業療法士に疲れた…辞めたらどうなっちゃうのかな…

作業療法士に疲れてしまいました…立ち直る方法が知りたいです…

作業療法士に疲れたときはどうすべきなの?

このような悩みを解決します。

  1. 作業療法士に疲れた時の対処法4つ
  2. 作業療法士が疲れる理由
  3. 作業療法士をやめたほうがいい人の特徴
  4. 作業療法士がモチベーション維持する方法

作業療法士の仕事は大変ですよね。

筆者は人事として2年ほど関わったので、仕事の大変さや辛さが多少はわかります。

そこで今回は、作業療法士が精神的に疲れてしまう理由や、疲れた時の対処法をご紹介します。

本記事を読めば、作業療法士の仕事が辛くても続けるべきなのか、どうすれば辛さから解放されるのかわかるでしょう。

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作業療法士に疲れた…OTが辛い3つの理由

ここでは、作業療法士が疲れて辞めたくなる理由を3つご紹介します。

筆者が人事として勤めていた時に多かった理由です。

  1. やりたいことができないから
  2. 業務量が多いから
  3. 人間関係が面倒だから

1つずつ解説します。

1.やりたいことができないから

作業療法士が辞めたくなる理由の1つ目は、やりたいことができないためです。

作業療法士がすべきリハビリがしたくてOTになったのに、基本的な動作のリハビリしかできなくて辞める方は毎年います。

OTの役割は、作業活動を通して生活に必要な能力を養うことですよね。

しかし、職場に必要な道具や設備がなかったり、採用側が作業療法士の役割を理解せずに採用すると、「作業療法士の真の役割」が果たせなくなります。

作業療法士として働きたいからOT資格を取ったのに、普通のリハビリしかできないなら、職場を変えたくなるのは当然でしょうね。

2.業務量が多いから

作業療法士が辞めたくなる理由の2つ目は、業務量が多いからです。

作業療法士を目指している方には言いにくいですが、リハビリ以外の業務が多すぎてOTが嫌になり辞める人が後を絶ちません。

病院勤務の作業療法士の一般的な業務はリハビリ(外来または入院)ですが、

  • カルテ記入
  • 症例発表の資料作成
  • 委員会参加
  • 学会参加(主に土日)
  • リハビリグッズの買い出し
  • 研修生の指導

といった、メインとは言えない業務がかなり多いです。

カルテ記入までなら作業療法士の業務としてわかりますが、「いや、それ違うよね?」という仕事が多すぎます。

リハビリそのものは苦痛ではないものの、それ以外の業務が多すぎて嫌になり、一般企業に転職するOTは増加傾向でした。

土日が学会でつぶれることは年間5回程度ですが、これに耐えられなくて辞める1年目は多かったです。

ちなみに、作業療法士は業務量のわりに昇給・昇進がないことはご存じですか?

詳細は、理学療法士と作業療法士の給料が安い5つの理由【給料を上げる方法は?】でまとめていますが、OTの給料面は今後も期待できません。

3.働きにくいから

作業療法士が辞めたくなる理由の3つ目は、働きにくいからからです。

作業療法士をはじめ、理学療法士や言語聴覚士として働いている方ならわかるはずですが、リハビリ職は体育会系の雰囲気そのものなんですよね…

上司に意見するだけで怒鳴られ、有休をとりたいと言えば「なんで?正当な理由は?」と根掘り葉掘り聞かれる。

リハビリ職には年功序列も色濃く残っているので、働き方改革や副業が解禁された現代とは思えない働き方をしています。

  • 土日に学会参加
  • 退勤処理後にミーティング
  • 残業がつかない症例発表会
  • 上司に意見すると怒鳴られる

などは、実際に筆者が現場で見たことです。

作業療法士の働き方は、パワハラやサービス残業だらけの昭和を引き継いでいるように見えます。

【閲覧注意】作業療法士はやめとけと言われる理由|現役OTの見解は?でまとめていますが、「理学療法士と作業療法士はやめとけ」といわれても当然でしょう。

次の章では、作業療法士に疲れた時の対処法をご紹介します。。

作業療法士に疲れた…辛いときの対処法4選

ここでは、作業療法士として働くことに疲れてしまったときの対処法を4つご紹介します。

  1. 時短勤務に変更する
  2. 異動する
  3. 休職する
  4. 転職する

1つずつ解説します。

1.時短勤務に変更する

作業療法士に疲れたときの対処法1つ目は、時短勤務に変更することです。

なぜなら、時短勤務に変更することで心に余裕が生まれるから。

通常勤務は拘束時間が長くて余裕が持てませんが、時短勤務にすれば無駄なくリフレッシュできます。

働きすぎて思い詰めているかもしれないので、まずは自分に余裕を持たせる方法をお試しください。

人事としての経験上、1か月程度時短にするだけでも元気になる人が多かったです。

2.異動する

作業療法士に疲れたときの対処法2つ目は、異動することです。

なぜなら、今の職場(施設や病院)が向いていないだけかもしれないから。

作業療法士という職種に疲れたのか、今いる職場のせいでストレスが溜まっているのかがはっきりしますよ。

OTに疲れたのか、職場のせいで疲れているのかによって対処法は変わってくるので、はっきりさせることが重要です。

作業療法士の異動先は、

  1. 訪問リハビリ
  2. 訪問看護
  3. 介護老人保健施設
  4. 回復期病棟の勤務
  5. デイケア担当
  6. 外来担当

といったように、多く考えられます。

病院勤務で近くに施設やデイがあるなら、勤務地がほとんど変わらないのでおすすめです。

異動先がある方にしかできない方法ですが、異動するだけで仕事が楽になる可能性は十分ありますよ。

3.休職する

作業療法士に疲れたときの対処法3つ目は、休職することです。

精神的に疲れて「働きたくない…だけど仕事はやめられない…」という場合におすすめの対処法ですね。

具体的には、以下のような方におすすめです。

  • 出勤そのものが辛い人
  • ストレスで眠れていない人
  • ストレスで食べられなくなっている人
  • 帰宅しても心が落ち着かない人

上記は、仕事のストレスで限界を迎える直前の症状です。

仕事を休んだ方がいいではなく、「仕事を休むべき」人に見られる症状なので、無理せず休んでください。

筆者はパワハラによる働きすぎで不安障害になったので、やばい症状はわかります。

関連記事 >>>作業療法士を1年目で辞めたい…やめたほうがいい理由を人事が解説

4.転職する

作業療法士に疲れたときの対処法4つ目は、転職することです。

なぜなら、職場を変えることで待遇改善と人間関係の刷新が同時に狙えるから。

今の職場では給与が低く、人間関係も面倒で「作業療法士に疲れた」…と感じているかもしれません。

しかし、待遇が良くなって人間関係にも問題がない職場があれば、作業療法士としてもう少し頑張れそうではないでしょうか?

答えがYESなら、作業療法士として別の職場に転職するだけで、心も体も回復するでしょう。

もし、そうでないなら、作業療法士そのものが向いていない可能性が高いので、一般企業へ転職することをおすすめします。

作業療法士が一般企業に転職するメリットは大きいですよ。

筆者が人事をしていた時も、年間数人は一般企業に転職したり、一般企業から作業療法士に出戻り転職したりする人がいましたからね。

OTが一般企業を経験するメリットは、作業療法士から一般企業への転職がおすすめな4つの理由を人事が解説でまとめてるので参考にしてください。

また、作業療法士を辞めるタイミングについては下記の記事で解説しています。

今が辞めるチャンスかもしれませんよ。

>>>作業療法士を辞めるベストタイミングは?円満退職のコツを人事が解説

作業療法士に疲れた…現職をやめた後の選択肢は3つ

ここでは、作業療法士に疲れて辞めた場合、その後はどのような選択肢があるのかご紹介します。

作業療法士を辞めても普通に生きていけるので、安心してくださいね。

  1. 別の病院・施設に転職する
  2. 起業する
  3. 作業療法士を辞めて一般企業に転職する

1つずつ解説します。

1.別の病院・施設に転職する

作業療法士が現職を辞めた後の選択肢でよくあるのは、別の病院や施設に転職することです。

作業療法士を辞める気はないけど、今の職場からは離れたい方に向いています。

作業療法士の転職先としては、

  1. 総合病院
  2. 急性期病院
  3. 回復期病院
  4. 精神科病院
  5. 訪問リハビリ
  6. デイサービス
  7. 介護老人保健施設
  8. 整形外科クリニック
  9. 整体院
  10. ジムトレーナー

というように多くの選択肢があります。

病院だけでも4種類ですが、役割はすべて異なる点に注意してください。

病院の種類だけでなく、実際の勤務先ごとに役割は違うので、求人票をよく読みましょう。

ちなみに、リハビリ職といえば病院というイメージがあるようで、病院勤務を希望する人は年々増えています。

すぐに転職したい方は、病院にこだわらないほうがよいですね。

関連記事 >>>作業療法士が転職に失敗する5つの理由と採用されるコツを人事が解説

2.起業する

作業療法士には起業という選択肢もあります。

なぜなら、高齢者率は2065年まで増加することがわかっているから。

以下は内閣府資料の引用ですが、全人口に対する高齢者率は2065年まで上がり続けることがわかっています。

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出典:内閣府(高齢化の状況)

何が言いたいのかというと、リハビリ職の需要は今後も見込まれているということです。

そこに着目した作業療法士が、病院や施設で経験を積み、デイサービスや訪問リハビリサービスを開業しています。

筆者は200床の回復期病院で人事をしていましたが、年間2人は起業のために退職していましたよ。

そして、引き抜きに合い、人事の仕事が増えるという…

起業後に社員が引き抜かれることが多いのですが、病院や施設よりも給料が良く、働きやすいためのようです。

自分で起業してもいいし、同僚が起業したらついていくことも一つの方法ですね。

3.作業療法士を辞めて一般企業に転職する

作業療法士を辞めて、一般企業に転職するという方法もあります。

元人事としては、一番おすすめですね。

なぜなら、一般企業を経験した作業療法士は非常に少なく、普通のOTよりも好条件で採用されるケースが多いから。

作業療法士は、資格を取って新卒でOTになる人がほとんどですよね。

その結果どうなるかというと、一般企業なら誰でもできるようなことができないのです。

例えば、

  • 名刺交換
  • 電話対応
  • 来客対応
  • 尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け
  • メールの書き方
  • 会議資料作成

などですね。

採用側としては主任や部長になれる人材がほしいので、一般企業経験がある作業療法士は是が非でもほしいというわけです。

作業療法士はただでさえ不足気味ですし、有能なOTはすぐに採用されてしまうので、好条件を出さざるを得ませんからね。

1年でも一般企業を経験すれば作業療法士としての価値が跳ね上がるので、一般企業への転職も視野に入れることをおすすめします。

転職の仕方やおすすめの転職サービスは、リハビリ職におすすめ転職エージェント・サイト5選!32社から人事目線で比較でまとめたので参考にしてください。

【現役OTに聞いた】作業療法士が辛い時、疲れた時にモチベーションを維持する方法3選

この章は、「作業療法士を続けたいけど疲れてしまって…モチベーション維持の方法が知りたいです」という方に向けてまとめました。

作業療法士としてモチベーションを維持する方法を、OT歴20年のMさんに聞いてきたのでご紹介します。

方法は以下の3つです。

OTがモチベーションを維持する方法

  1. 期待しない
  2. 作業療法士を辞めてもいいと思う
  3. 毎日が勉強だと思う

1.期待しない

作業療法士がモチベーション維持する方法の1つ目は、「期待しないこと」です。

冷たいと感じるかもしれませんが、日常生活においても自分の心を守る方法として有効ですね。

なぜなら、期待しなければショックを受けることもないから。

例えば、外来担当の作業療法士なら、どんな患者が来るかは直前までわかりませんよね。

「面倒な50代のキレやすいおっさんではなく、中学生くらいの扱いやすい人こい!」と期待していたのにおっさんが来たら、モチベーションが下がるでしょう。

反対に、「どうせクソみたいな患者がくるんだから、期待しないでおこう」と思っておけば、おっさんがきてもモチベーションは変わりません。

はじめから期待しなければ、イラつくこともショックを受けることもないです。

2.作業療法士を辞めてもいいと思う

作業療法士を辞めてもいいという心がけをすることも、モチベーション維持において重要です。

なぜなら、現職でうまくいかなくても別の職場でやれるという「余裕」があるから。

「嫌なら転職すればいいだけ」という考えの人と、「この職場でしか働けないからどんなにストレスをためても仕方ない…」という人ではメンタルの安定性が違います。

もう少し頑張れそうだなと思ったら、「続けてみるか」程度の考えでいいのです。

関連記事 >>>作業療法士の就職は厳しい?OT需要は今後高まる一方です

3.毎日が勉強だと思う

毎日が勉強だと思うことで、作業療法士として嫌なことも乗り切ってきたそうです。

人とかかわる以上、必ず嫌なことはありますからね。

嫌なことがあっても「そういう考えもあるんだね」程度で流すことが重要です。

いちいち反応してストレスをためるのではなく、勉強だと思って軽く流せる人が作業療法士として生き残ります。

関連記事 >>>作業療法士に将来性はない?元人事が根拠を持って否定します

まとめ:作業療法士に疲れた、辛い時は相談してね

作業療法士に疲れたので辞めたいです…という話はよくあります。

元人事としても、作業療法士は激務だと思いますし、給料に見合っていないと感じますからね。

また、人間関係が複雑で休みづらい雰囲気な点も、作業療法士を疲れさせる要因の1つでしょう。

もし、作業療法士として働いていて辛いなら、無理せず逃げてくださいね。

「やめるのは逃げ」と思って辛い環境にいると、うつ病や適応障害を発症するリスクがあります。

作業療法士は転職に強いので、自分に合った職場を見つけるまで転職を繰り返すこともアリですね。

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