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言語聴覚士の給料は上がる見込み?【収入を増やす方法5選】

言語聴覚士 給料

言語聴覚士の給料は、今後上がる見込みですか?

言語聴覚士として働いていますが、全然給料があがりません…やめたほうがいいですか?

言語聴覚士が収入を増やす方法が知りたいです!

このような悩みを解決します。

  1. 言語聴覚士の給料は上がるのか
  2. 言語聴覚士の昇給額はどのくらいなのか
  3. 言語聴覚士が給料を上げる方法5つ
  4. 言語聴覚士はやめたほうがいい?

言語聴覚士の給料事情は、これからSTを目指している方にとっても、すでにSTとして働いている方も気になる話題ではないでしょうか?

本記事では、元人事としての情報と経験を踏まえて、言語聴覚士の給料は今後上がる見込みがあるのか解説していきます。

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言語聴覚士の給料は上がる見込み?STに将来性はある?

言語聴覚士の給料は上がるの?上がらないの?という疑問から解消しましょう。

結論からいうと、言語聴覚士の給料は上がらないと予想されます。

それも今後数十年、下手すれば定年まで新人時代から増えない可能性もありますね。

なぜなら、言語聴覚士の給料は診療報酬の影響を大きく受けるから。

詳細は、言語聴覚士の給料が安い5つの理由【STはやめとけの根拠を暴露】でまとめていますが、少子高齢化社会から超高齢化社会への移行が避けられない日本において、診療報酬の改悪は避けては通れない道です。

診療報酬が改悪されると医療機関の収入が減るので、言語聴覚士を含めた医療従事者の収入は減ります。

国が医療機関に支払う金額を少なくしなければ、国庫を圧迫して政策そのものが成り立たないので、今後も改悪は続くでしょう。

ちなみに、言語聴覚士の平均年収は、2022年9月時点で353万円と算出されています。

*言語聴覚士の平均年収。

st salary

出典:求人ボックス(ST平均年収)

国税庁によると国民全体の平均年収は461万円とのことなので、大きく下回っていますね。

住んでいる場所や年齢によって差はあるので一概には言えませんが、平均年収だけをみれば、言語聴覚士の給料は低いと言えます。

では、言語聴覚士の将来性はどうなの?というと、将来性はあるといえます。

なぜなら、高齢者率が2065年まで上昇する見込みだから。

以下は内閣府資料の引用です。

総人口に対する高齢者率は、2065年まで上がり続けると予測されています。

koureika suii

出典:内閣府(高齢化の状況)

よくいわれるのが、高齢者数は2016年がピークであり、高齢者数が減れば患者が減って稼げないという意見です。

これは、総人口に対する高齢者数である「高齢者率」を無視した意見なので非論理的なんですよね。

高齢者数は2016年前後がピークですが、人口に対する高齢者の割合は増加し続けるので、言語聴覚士の需要がなくなるわけがないです。

本章を要約するなら、

  • 言語聴覚士の給料は上がる?→上がらない
  • 言語聴覚士の将来性はある?→あるといえる

という感じですね。

次章では、言語聴覚士の昇給はどの程度なのか、元人事としての知識をもとに解説します。

言語聴覚士の給料は上がる?昇給はどのくらい?

言語聴覚士の給料が上がらないといっても、昇給制度はあります。

本章では、具体的にどの程度昇給するのか見ていきましょう。

結論からいうと、10年間言語聴覚士として勤務しても、1万円~2万円の昇給が関の山です。

根拠は、筆者が勤めていた地方回復期病院(200床)の給与情報ですが、10年間勤務しても昇給はほとんどみられませんでした。

明確なデータを出すわけにはいかないので1万円~2万円としていますが、本当にこの程度の昇給しかしません。

イメージするなら、1年間勤続年数が延びるたびに、月収が1000円上がるという感じですね。

このように、言語聴覚士の給料はほとんど上がりません。

言語聴覚士はやめとけ?やめたほうがいい6つの理由をSTの現実と本音から解説で解説していますが、給料が上がらないのに業務量と責任は大きくなるので、「言語聴覚士はやめとけ」なんて言われています。

給料が増えないのに頑張る意味もメリットもないですもんね。

給料が増えない理由は、次章で解説します。

言語聴覚士の給料が上がらない3つの理由

ここでは、言語聴覚士の給料が上がらない理由を3つ解説します。

  1. STの給料は診療報酬の影響を受けるから
  2. コストパフォーマンスが悪いから
  3. STの数が増えすぎているから

1つずつ見ていきましょう。

1.STの給料は診療報酬の影響を受けるから

言語聴覚士の給料が上がらない理由の1つ目は、STの給料は診療報酬の影響を受けるからです。

正確にいうと、国から医療機関に支払われるお金が、診療報酬をもとに計算されているためですね。

現行制度は患者から3割、残りの7割を国からもらうようにできているので、診療報酬が少しでも改悪されると数千万・数億円規模の損失になります。

医療機関の収入が一定額以上減れば、倒産しないために人件費を削らざるを得ません。

とはいっても、毎年給料が変わっては問題なので、余裕をもって人件費予算を設定している医療機関がほとんどです。

関連記事:言語聴覚士になって後悔!7つの理由と対処法

2.コストパフォーマンスが悪いから

言語聴覚士の給料が上がらない理由の2つ目は、コストパフォーマンスが悪いからです。

コストパフォーマンスとは、「リハビリ職の医療機関に対する貢献度」を意味します。

どういうことかというと、リハビリ職が医療機関にもたらす収益が少ないということです。

なぜ収益力が低いのかというと、こちらも診療報酬が関係しています。

リハビリ職は、1単位を20分とされているように、時間ごとに加算できる点数が設定されていますよね。

ということは、どう頑張っても20分で1単位分の収益しか生み出せないということです。

一方、医師は時間ごとではなく、処置した件数によって点数が可算されていくので、やればやるほど稼げます。

リハビリ職は時間ごとで加算できる点数が決まっており、1日のリハビリ数にも限度を決められているので、コストパフォーマンスが悪く、給料を上げることができないのです。

3.STの数が増えすぎているから

言語聴覚士の給料が上がらない理由の3つ目は、STの数が増えすぎているからです。

言語聴覚士が増えすぎると、一人当たりの収入は減らさざるを得ないので、給料を上げることができません。

すでにお伝えした通り、言語聴覚士の給料は診療報酬によって決められているといっても過言ではないです。

リハビリ職に充てられる人件費は限られているのに、数だけが増えたら一人当たりの給料を減らさないと回せませんよね。

リハビリ職の資格を取れる学校が増えすぎたせいで、今ではリハビリ職自身の首を絞めています。

給料が上がらないことに気づいた1年目の新人さんには、STを辞めて一般職になる人もいますよ。

関連記事 >>>言語聴覚士をやめたい…と悩む必要なし!新卒1年目でも堂々とやめられる理由

給料が上がらない…言語聴覚士はやめたほうがいい?

ここまで、言語聴覚士の給料が上がらないという話をしてきました。

「このまま言語聴覚士を続けても平気なの?やめたほうがいい?」と不安になっている方もいるでしょう。

そこで本章では、元人事として言語聴覚士を続けたほうがいいのか、辞めたほうがいいのか見解を述べたいと思います。

結論からいうと、以下に当てはまる方は言語聴覚士をやめたほうがいいです。

  • 言語聴覚士にやりがいを感じていない
  • 言語聴覚士には「なんとなく」なっただけ
  • やりがいよりも給料が欲しい
  • 実力が給料に反映される職種がいい
  • 患者さんと関わるのが苦痛
  • 仕事とプライベートのバランスを重視したい

目安ですが、上記に3個以上当てはまった方は、言語聴覚士をやめて別の職種になったほうがよいです。

なぜなら、このまま言語聴覚士を続けてもキャリアにマイナスだから。

迷った状態で続けても成長はできませんし、モチベーションも下がるので苦痛な時間を過ごすだけです。

また、ダラダラと言語聴覚士を続けるだけで、あなた自身の価値である「転職市場価値」が下落するというリスクもありますよ。

元人事としては、転職市場価値が下落する前に転職しないと言語聴覚士以外では働けなくなるので、早めに行動することをおすすめします。

関連記事 >>>言語聴覚士の転職先は一般企業もアリ?【他職種の転職先実例と注意点】

言語聴覚士の給料は上がる?収入を増やす方法は5つ

言語聴覚士の給料は増えないという話をしてきましたが、言語聴覚士が収入を増やす方法は5つあるのでご紹介します。

下に行けば行くほどおすすめです。

  1. 役職につく
  2. キャリアアップできる資格をとる
  3. 起業する
  4. 副業する
  5. 転職する

1つずつ解説します。

1.役職につく

言語聴覚士が役職につくことで、月収は数万円アップします。

昇給は年間1000円程度ですが、昇進ならば数万円給料が増えます。

言語聴覚士の役職は多くないので難しいですが、言語聴覚士として収入を増やすなら昇進を狙いましょう。

2.キャリアアップできる資格を取る

キャリアアップできる資格を取得することでも、言語聴覚士としての収入が増えます。

なぜなら、資格者手当が受けられるから。

所属先の規定を確認して、手当を受けられる資格を確認して取得すれば、月給が2万円程度増えます。

ただし、「言語聴覚士が理学療法士の資格を持っていても、手当は1つの資格分しか支給しません」という企業もあるので注意してください。

3.起業する

言語聴覚士が収入を増やすなら、起業するという選択肢もあります。

言語聴覚士としてではなく、経営者として働くことになりますが、年収が1000万円をこえることも珍しくないですよ。

筆者がいた病院にも、毎年数名は開業するリハビリ職がいました。

理学療法士は整体院、作業療法士と言語聴覚士は訪問リハビリが多かったです。

訪問リハビリは、これからの需要が大きく見込まれていますからね…

4.副業する

転職ほど手間をかけず、手軽に収入を増やしたいなら、言語聴覚士の資格を活かして副業することが収入アップの近道です。

ST資格を活かせる副業は、

  1. デイケア・デイサービスの機能訓練非常勤アルバイト
  2. 訪問リハビリの非常勤アルバイト
  3. 介護施設の非常勤アルバイト
  4. 児童発達支援のアルバイト

といった、週1からOKの非常勤アルバイトですね。

また、言語聴覚士の資格を使わないけど、完全在宅で稼げる副業もあります。

詳細は、言語聴覚士におすすめの副業10選!【ST資格を活かす&在宅副業】でまとめているので参考にしてください。

5.転職する

言語聴覚士が収入を増やす方法として最も手っ取り早いのが転職です。

なぜなら、職場を変えただけで年収が50万円近くアップすることが多いから。

業務量は減るのに年収がグッと上がることは、リハビリ職では珍しくありません。

病院以外の施設は、リハビリ職が不足しているためですね。

勤務先は病院ではなく訪問リハビリになるケースがほとんどですが、インセンティブが取れる(1件4000円など)ので、訪問リハビリは本当に稼げます。

訪問リハビリは常に人手不足傾向ですし、病院でスキルを磨いた言語聴覚士ならサクッと転職できるでしょう。

まとめ:言語聴覚士の給料は上がる?昇給は期待しないで

言語聴覚士の給料は上がるの?と聞かれたら、上がらないと答えざるを得ないのが現状です。

日本の経済状況や少子高齢化の影響を考えれば、大きな昇給は望めないでしょう。

しかし、言語聴覚士の給料アップに期待できなくても、転職や副業で収入を増やすことは可能です。

終身雇用が崩壊したことで、企業に頼る時代から個人が稼ぐ時代になりました。

これを機に転職や副業を始めて「個人で稼ぐ力」をつけることをおすすめします。

今回は以上です。

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